86.休憩、気にしてる?
2023-04-24
カテゴリ:生理学
皆様こんにちは、こんばんわ!
明楽フィットネスクラブの藤井です!
第86回のコラムテーマは【休憩、気にしてる?】と題してお話したいと思います。
筋トレのセットの間の休憩、どのくらいとってますか?
まさかテキトー、なんてことありませんよね??
と言われても、ほとんどの方がそこまで意識的に休憩時間をコントロールしてはいないと
いうのが実際のところだと思います。
実際のところ、セット間の休憩については、世界中でも論争が絶えません。
科学的に効率が良いとされるデータは存在するものの、プロのボディビルダーや
一流のスポーツ選手たちが科学的なところから見たら外れた手法で強く、機能的な身体を
作り上げることができているのも事実です。 ※もちろんその選手個人が特殊な可能性もありますが
そんな今回のコラムでは【教科書】的な目線での休憩に対する理論をひとつずつご紹介し
一般的な運動・トレーニングをされている方にとってベースとなる指針をお届けできればと思います。
● セット間休憩は短すぎるのがもっとも非効率
カナダのマックマスター大学が2010年頃から研究をはじめ、2012年・2013年と研究論文を
随時更新、発表していました。
運動またトレーニングをおこなうことで成長ホルモンやテストステロン(男性ホルモンの一種)などの
分泌量が一時的に増加するが、この一時的な分泌量増加は筋肥大や筋力強化とは相互関係がない、
という結論を導き出しています。
文言が難しくてよくわからないと思いますが… なにが言いたいか、というとこういうことです。
仮に運動やトレーニングで成長ホルモンとかの分泌量が一時的でも増えて、それが増えることで
筋肥大や筋力が上がるのであれば、休憩なんかせずにどんどんトレーニングしまくった方が
成長ホルモンとかはバンバン分泌されて、結果的に筋肥大や筋力もガンガン上がるはず!!
だったけど、一時的に分泌量が増える成長ホルモンとかは筋肥大とか筋力強化とは関係ないって
ことは休憩はとっても全然マイナスにはならないよ!ってこと。
そうなってくると次に重要なのはケガのリスクです。
特に高重量のトレーニングでは、筋肉や関節への負担もさることながら”神経系”への疲労が
大きいとされています。
神経系の疲労、というのを簡単に表現するのであれば、筋肉痛とかもなく息が上がっているという
わけでもないのに、トレーニング動作が続かない、または変にチカラが入らない、途中で抜ける、
といった現象です。
神経系の疲労は特に短時間ではすぐに回復しないことがわかっているため、1セット終わった後に
10秒や20秒程度では、さっきやったはずの重さで半分の回数も上がらなくなってしまう、なんて
こともざらに起こったりします。
つまりは神経系の疲労が高いことはケガのリスクも上がりやすいわけです。
この2点(細かく言うともう少しあるのですが)のことから導き出すに、セット間の休憩は
短いことでメリットがあることはほぼないのではないか、ということですね。
● セット間の休憩は個人差によって変動する
当たり前、といえば当たり前のことですが…
これはオーストラリアのメルボルン大学の研究チームが発表した論文でいくつか結論付けています。
・短い休憩でも長い休憩でも筋肥大や筋力増強はする ▶ 効果がゼロやマイナスになることはない
・トレーニング経験者の筋力向上トレーニングでは2分以上の休憩が必要である
・トレーニング初心者はどのような目的のトレーニングでも1分~2分の休憩で充分である
※経験者は扱える重量や筋肉への負荷が高い傾向にあるためその回復に時間がかかると思われる
・総じて男性よりも女性の方が筋代謝の回復が早いため休憩時間も短くてよい可能性が高い
ということだそうです。
まだ未解明な部分も多いのですが、女性の方がいわゆる持久系の運動などに向いているとされており
回復力が高いのだそうです。
併せてトレーニングで扱える重量も比較的軽いということから、やはり女性の場合はセット間の
休憩は短めに設定して問題ないということでしょう。
というわけで今回はトレーニング中の休憩について解説していきました。
これは正直、正解がない中でずっと向き合っていく問題なので是非とも皆さんそれぞれの
「これが俺の・私の休憩だ!」を見つけられることを祈っています。
それでは次回のコラムもお楽しみに!
Training Enriches Your Life♪
Written By MeirakuFitnessclub Fujii.